騙し騙ししてきた右膝、後半最初の50m程の登りを終えると痛みが増してきました。膝爆弾はもう爆発寸前でございます。
具体的には、膝を曲げると痛みが走る状態です。それが走るにつれ段々ひどくなり、足が曲げられなくなっていきます。
登山口までの北竜湖畔のルートは、少し走っては歩きを繰り返して進みます。膝がこんななので、いっそ早く登山道に入って現状を脱したいとすら思いました。
相方は昨年やはり膝を痛めましたが現在は克服して鋼の膝を手に入れているため、普通に走れば自分より速いペースなのですが、ここまでまだ同行してくれています。
2度目のエイド(給水・補給食ポイント)を過ぎたらいよいよ小菅神社・奥の院までの500m急登。どちらかというとランニングというより登山なので得意な分野です。
登山道に入ると目の前に石造りの古い参道がドーン!しかも一直線で両サイドには巨木の列。圧巻です。
膝はだいぶ曲げられなくなっていますが、急登萌えな我々はザクザク登って行き、息切れした他のランナーを何人か抜いて進みます。右膝を庇うために左足メインで身体を持ち上げて段差を登ります。
今回の膝痛、ランナー膝の特性を知っていたので実は想定内でした。前半部で痛みが出ても登山部分では歩けば良い。問題はその後の下り、膝痛に最もきつい急降下です。まさに山場が山場になるであろうと想定しておりました。
ともかく、この日のテーマは「膝爆弾とナカヨク」。
しかしこの登山道は凄い。階段が途切れる事なくひたすら急登。山頂付近の鎖場や岩場では俄然テンションが上がり、レース中である事を忘れて猿のように登りました。
やっと地形が平らになり奥の院らしき建物に着くのかと思いきや、目の前に「ここから下り急斜面」のような看板。奥の院はコース上に無いだと。まさかのスルーとは!いやはや、奥の院にも程があると。
そう言えば登攀中にClif Shot Gelという少量のゼリーのようなものを補給食として飲みましたが、このシトラスフレイバーがなんとも凄い味。学校給食でパンに塗る「マーシャル」を思い出しました。あれを直に飲んでいるような感じで。でも結局そのマズイのがまた食べたくなり、下りでもう一本空けました。
下りになると、下りに強い相方には先に行ってもらいました。下り切ったエイドで待っていてくれるとの事、ありがたい。私の右膝爆弾は登り切った所で既に爆発、火を吹いております。この状態で高低差500m分の階段を下る、さてどうする?
想定内なので気落ちする事もなく文明の力「ストック」を装備、階段ではストックを先に突いて右足を伸ばしたまま下段へ下ろし、最後に左足を下ろす歩行法を使います。トン・デン・ドン…トン・デン・ドン、リズムに乗ってしまえばスピードも生まれる。3拍子、ワルツだワルツ!BPM120定速をキープせよ。
もはやランニングとは程遠いですが気持ちは折れる事はありません。前に進める限り完走はできる!今回のレース中、リタイアは微塵もよぎりません。
ふと前を見ると、同じように片足を伸ばせないで一段ずつ降りているランナーが幾人か。後ろにも、ストック無しのおじさん、太い木の棒をストック代わりにしたお兄さん他数名。
ああ、みんな膝爆弾が爆発した人々だ。うん、わかるわかる。曲げると痛いのよね。
この中の何人が事前に膝痛を想定していたかわかりませんが、少なくともこの場ではストック使いで膝以外は異様に元気な私が一番ハイペースだったので、膝痛な人々を何人か抜いて行きます。お互い見るからに同じ症状なため、声を掛け合い労います。
まさに一期一会の膝仲間。結局はコンディション作りに失敗した組なのですが、なんでしょうかこの連帯感。
いやー、ランニングはちゃんとやらないと体に悪いですねー皆さん。
エイドに辿り着くと相方が待っていてくれました。レースだし記録が残るのだから先に行ってくれていてもいいのに、心配で顔見るまで待ってくれていたとの事。なんとありがたい。しかしそこで新たな情報が。なんでも残り5kmを1時間でゴールしないと制限時間に引っかかりタイムが残らないらしい。自分はともかく相方には先を急いでもらいました。
再び1人になり、後は嫌らしいアップダウンをゲレンデまで。さて膝爆弾が火を吹いた自分は制限時間までにゴールなるか!?あまりに長いので三部構成へ。次回終章!
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