橋ワタシ学session vol.4「電光石火」無事終了致しました。シナリオをノーミスで進行し全力でパフォーマンスしてくれたメンバー、ご来場下さった沢山の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。
今回は自分の企画では始めてのコードレス、つまり和音を出すピアノやギター等の楽器がいないサックストリオ編成に挑戦しました。未知のアレンジである為に試行錯誤の末いつにも増して譜面を書きまくり、事前にメンバーにPDF化した譜面データを送りつけ「読んどいて!」という、かつてないテンパり具合でした。
当日もメンバーの読譜力と対応力のお陰で余裕を持ってリハを終了できたにも関わらず、本番前は緊張と「あのアレンジで本当に良かったのか」という自分への不信から、すきあらば逃げ帰りたくなっておりました。
セットリスト
1.Mercy Street (Peter Gabriel)
2.On The Street of Shibuya (Suguru Miyaji)
3.Hip Bop (Suguru Miyaji)
4.Future Jazz (Suguru Miyaji)
5.Recoda Me (Joe Henderson)
6.Iambic 9 Poetry (Squarepusher)
7.気球に乗って (Akiko Yano)
8.Gratitude (Manabu Hashimoto)
アンコール
9.Defensor (Manabu Hashimoto)
当日の録音を聴きつつ、当時の感覚を思い出しつつの感想です。
まず、宮地さんのエレクトリックサックスが想像以上にエレクトリックでありました(笑)。それは嬉しい誤算で、当日のトリオのサウンドが良い意味で読めなくなりスリリングになりました。千葉君もさすが、ウッドベースという、エレクトリックサックスに寄り添いづらい楽器ながら、適格なベースサウンドを瞬時に作ってくれました。
お陰で、自分のドラム演奏が物凄くグルーヴに集中できました。個人的にこういう、フルショットが多用できる演奏を久々にしてみたかったので、満足しています。
録音を聴いて一番驚いたのは、初顔合わせにも関わらず1曲目から揺るぎない無比のバンドサウンドがしていた事です。個性的な物というのは意図して作れるものではありませんが、ここまでインパクトのあるサウンドがいきなり出来てしまった事に驚きです。
ただ、選曲がこのサウンドに全てマッチしていたかは反省点となりました。カヴァーしかりアレンジしかりです。ぶっちゃけ、他にやってみたい曲のアイディアが演奏後に出てきましたし。
後一つ反省点は、お客様目線から見るとセットリストにもう少し緩急をつけるべきだった事です。
なんせ、ダンスもボイパもあり、エレクトロニクス使いのメンバーお二方、自分もループマシンを持っている。これ程贅沢な素材があるため、ライブ3回分くらいの「やりたい事」がアイディアとしてあり、それを無理矢理1回分にまとめたという強引さがリストに表れてしまったかなと。さすがに、お客様は疲れてしまったのではないでしょうか(笑)。
今回のライブは、スマートに形に纏めてわかりやすく面白さを伝えるというより、バケツをひっくり返してアイディアをばら撒いた感じでありました。
でもまあ、いいかと思います(笑)。なんせ今回のテーマは「エレキは不良」。まとまってはいけません!打ち破らねば!はい、十分に打ち破れたと思います。
現代日本と世界各国の文化をリアルに作曲に反映させてシビアに音楽を作る宮地さんと、ジャンルに関係なく時代に即したコアな活動をする千葉君、そして実は一番時代の先端に敏感なダンサーWataru君とで、自分のやりたかったストリート的なごった煮感、文化と文化がせめぎ合う緊張感が表現できました。お客様には、単なる音楽鑑賞ではなく、文化のせめぎ合う現場がお見せできたと思います。自分のミスで動画が撮れなかったのが本当に残念!
さて、橋ワタシ学session vol.5はピアノ田中信正さん、ベース安ヵ川大樹さんという豪華メンバーにお願いしてしまいました。一転してアコースティック、これ以上ない芳醇なサウンドをお楽しみ頂け…自分が一番楽しみにしております。11月5日水曜日外苑前ジマジンにて、いつもより少し遅く午後8時〜9時半でお送り致します。