2014年11月16日日曜日

スイス・ツアー写真集 1

 おもむろに写真を貼っていきます。


 10月29日、成田からスイス・エアで出発します。12時間。


 スイス時間午後4時、チューリヒ着。古い教会も多数残る美しい街並み。この後、我々を招いてくれたピアニストのクリスさんご夫妻にお勧めのレストランでご馳走していただき、


 その後向かった先はクリスさんが教鞭を取る芸術大学。なんとその中には!


 ジャズクラブがありました。

 1時間ほどスペシャル・ゲストによるライブと、その後ジャムセッション。ヨーロッパでセッションしてみたかったのです。
 そのスペシャルゲストは、ノルウェー・クラブジャズ界の重鎮、ブッゲ・ウェッセルトフト。もちろん知っていたし、最近のYOUTUBE動画もチェックしていたので大変に驚きました。

 ブッゲ・トリオはかなり弱音でしたがユーモラスで実験的でとても良かったです。明るいオタクの音楽でした。

 ジャムセッションはメンバーがほぼそこの学生さん。時差ボケで眠くて倒れそうなところに曲はバラードと、超スローなキャラバンだったのがつらかったですが(笑)良い経験になりました。正直、日本でのセッションと特別な違いはなかったかと思います。

 そんな初日、ホテルに戻り倒れて就寝。



スイス・ツアー写真集 2


 翌朝、どうしてもスイスアルプスが見たくて早起き。あのへんのトンガリのどこかがアイガーやメンヒ、ユングフラウなのかなと。


 演奏のためにチューリヒからウスターという町へ電車移動。執念のアルプス撮り。


 ウスターは郊外の住宅街でとても落ち着きます。


 なんと町が保有するジャズクラブ。子供たちのための楽器教室も併設。すごく広く、ソファーもたくさんあります。


 ライブでお借りしたスイス製のドラム、ジャンニーニ。音も良く、本気で欲しいんですが。

 演奏1日目でしたが、クリスさんが度々来日して何度も共演済みなのでまぎれもなくバンドサウンドでした。お客様は多数。にぎやかでもなく静かすぎることもなく、良かったら拍手でつまらなければ帰る。ただ、クリスさんは有名人だとはいえ、知らない日本人のバンドにあれほどの数の人が来て下さるのはスイスならではなのかなと思いました。
 
 この日はウスター泊で2日目終了。







スイス・ツアー写真集 3

 3日目はウスターで起床。


 朝の散歩ついでに。裏手の高台に教会。 


 今日は2本の公演があります。ウスターからチューリヒ経由でバーゼルに移動。スイスの車窓から。

 

 バーゼル到着してホテルにチェックイン。ここはなんと昔の刑務所跡らしいですが、お城のよう。客室の扉を閉めた音が廊下にかなり響き渡る音響空間が、来る前にイメージしていたヨーロッパ建築そのものでした。


 そして昼の部は今回のツアーのメインイベント、ティンゲリー美術館でのコンサート。写真右端は、開始5分前なのに楽屋が無くてウロウロするメンバー、左からクリス・ヴィーゼンダンガー(p)さん、吉野弘志(b)さん、かみむら泰一(ts)さん。
 プログレッシブなティンゲリーさんの作品に触発されてか、この日は最も無形な、聴いたことがないような演奏になりました。


 ドラムセットはヤマハ、ペダルはパール、スタンドはタマ、演奏者は橋本のオールジャパンセットでお送りしました。


 夜のライブはホテルと同じ建物、裏手にあるジャズクラブ「バーズアイ」です。しかしどう見てもお城です。


 白い巨大な壁にある扉を入ると何とも素敵な、しかしちゃんとジャズクラブがありました。


 こちらはご当地もご当地、バーゼルのメーカー「ラウペッレ!(発音は教えてもらいました)」。
音響はとてもやりやすく、手で叩いた微弱音ですら、壁の反響が拾ってくれるのか空気が違うのか、意のままに残響と強弱を操れる感覚でした。ツアー3本目という事でバンドもすごくまとまってきました。

 クラブの責任者の人がスリランカ出身の面白いオッチャンで、かつて様々な職業を転々とした中で「EDO」という日本料理屋で仕事をした事があるらしく、「俺はものすごく旨いテリヤキソースが作れる!!」と力説しておりました。その彼がジャズクラブからホテルへの裏道を教えてくれたんですが、彼曰くそれは「ヤクザ・ウェイ」だと。まさに「極道」ですな。

 爆笑しながら、ハードなこの日も即寝落ちました。
 






スイス・ツアー写真集 4

 最終日、夜のライブだけなので昼間は土産物色と観光のみです。
 朝ご飯の前に、早朝からスーパー「スパー」を見学、買い物。朝ご飯後、クリスさん・泰一さんとバーゼルをブラブラ。クリスさんに老舗のチョコレート屋兼カフェを案内してもらいました。


 郵便局。


 教会。

 解散して、ライブまでさらに時間があったので、単独行に出ました。初めて1人でトラムに乗ったなあ。


 目的その1、どうしてもスイスで山の本が買いたくて本屋へ。「4000m以上のスイスアルプスの登り方」という本を買いました。ドイツ語で読めないし4000mのアルプスなんか登りませんが、写真がとにかく素晴らしかった。「アルピニズム」コーナーは自力で見つけました。


 目的その2、もうめったにラーメンを食べない自分になぜか日本で最近麺友ができ(相方の会社の上司さん)、その人が「是非スイスでラーメンレポを」というメッセージをくれたので「スイス二郎野菜マッターホルン増し、とかがあったら食べますよ」などと冗談半分に返信しつつ、ラーメンなんかあるわけないだろと思っていました。
 しかしバーゼルになんとラーメン屋を発見。クリスさんからは「あれはマズイよ。日本のラーメンの方がおいしいです!」と釘を刺されたにも関わらず、麺友さんをギャフンと言わせたかったので本気を出してみました。

 「soja ramen nature」醤油ラーメンだと思います。具は大量のネギ、薄切り人参、ナルト、海苔、メンマ。チャーシューはなし。スープはかすかな魚介ダシの薄い醤油味。つまり日本のラーメンからチャーシューと鶏がらスープを取り除いた感じです。自分は普段動物性のものは食べないので構いませんが、殊にラーメンとしてはいろいろと足りない感じがします。しかし、スイス式の食事続きの中で醤油味に安心したのと、お腹が空いていたのと、麺友さんにレポできた満足感から、やっててくれてありがとうと。結局おいしく完食しました。


 夜も更けて、最後のライブが昨日と同じ「バーズ・アイ」でスタート。最後の夜をメンバー皆名残惜しむような、出し切った演奏でした。あっという間の4日間でした。

今回はスイス=日本国交150周年記念という事で特別に呼んでもらえたとの事です。そんなチャンスに参加できて、初のヨーロッパにしかも演奏で行けてとてもラッキーでした。

 ホテルの朝食をフロントの人に英語で絶賛と感謝を述べたり、時に破壊力満点のジョークを英語で飛ばしたり、何より現地の楽器でもブレない音楽性と音色でしっかりとバンドを支えてくれた吉野さん、素敵でした。
 是安さんの事から本当にいろいろな事を共に経験し、音楽的にも散々コミュニケーションをとり合った泰一さん、ずっと共演させてもらえたお蔭でスイスにまで行けました。ありがとうございました。そういえばスイスに着いてからも「一緒にここにいるのが不思議だねー」と二人で言ってましたね。
 そして現地で、本当に自分の時間が無くなるんじゃないかというほど付きっきりで案内してくれて、スケジューリングとマネジメントもしてくれたクリスさん。お仕事の合間に愛犬ジニーちゃんを連れて何度も会場に足を運んで下さったクリスさんの奥様・ソノエさん。本当にありがとうございました。たくさんお話した中でクリスさんの熱い熱い日本愛もますます感じられ、日本人で良かったなと思いました。今度日本に来られた時は必ず恩返しさせて下さい!
 
 



2014年11月8日土曜日

11月5日「空即是色」を終えて

  橋ワタシ学session vol.5、嵐のようなセッションは無事終わりました。御来場頂きましたお客様には深く感謝申し上げます。

  前回のvol.4で少し決め事を多くし過ぎた反省を踏まえ、今回は珍しくジャズ・スタンダードを交えたセットリストにしました。

  特別に譜面を作製したカヴァーは1曲のみ、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をアニメ化した映画のサウンドトラックより「エンドテーマ」です。細野晴臣氏による楽曲とサウンドが作品の世界観、アニメ画の雰囲気と非常にマッチしており、リアルタイムで小学生の頃見ていた自分は当時この音楽に心を鷲掴みにされました。サントラCDを手に入れるまでは、ビデオを再生した音声をカセットレコーダーに録音し繰り返し聴いたものです。
  ちなみに譜面はスイス行きの飛行機の中で作製。飛行機ではそれ以外の時間は備え付けのゴルフゲームばかりやって、飽きたらドライバーのみで18ホール回ったりと実に不毛な事をしておりました。

セットリスト

1.when will the blues leave?(Ornette Coleman)
2.witch W→E (橋本)
3.レントよりはやく (田中)
4.Complex (安ヵ川)
5.Deep Valley (安ヵ川)
6.銀河鉄道の夜 (細野晴臣)
7.Rythm-A-ning (Theronias Monk)
8.Defensor (橋本)

アンコール

9.Caravan (Duke Ellington)

  信正さん、安ヵ川さん共に強力な音色とリズム、エネルギーの持ち主であるため、ともすれば自分は霞んでしまうのではと。さらにはそんな猛者達を率いて今日はバンマスをやらねばならないプレッシャーから緊張はピークに達していました。

  いざ本番が始まると、まるで自分で設計した巨大なマシンが想像以上のエネルギーで動き出してしまったような感覚に陥りました。振り落とされないようにしっかりつかまっている状態で。今の自分の力ではそうなる事は想定内でしたが、自分が同じペースで余裕を持てるようになるまで5分くらいはかかったかもしれません。

  お二方とも流石だと思ったのは、高いアンサンブル力を発揮しつつ、一貫して唯一無二の自分のサウンドで楽器を奏で続けるという、一見矛盾するかのような事を普通にやってしまう事です。恐るべきタフさと細やかさ、強い意志と決断力がなければ不可能です。
  安ヵ川さんの「Complex」での信正さんのキレっぷりや、私の曲「Witch〜」での安ヵ川さんの美しいアルコ・ソロ等、忘れられないシーンがたくさんありました。

  そして何より、「銀河鉄道の夜」がちゃんと原作の世界観にフィットした、物凄く素敵なサウンドになっていて驚き、嬉かったです。お客様にも「この曲好きで、まさか今日聴けるとは思っていなかった!」という方がいて、心の中でガッツポーズでした。譜面上で「コードネームは謎」のまま演奏してもらった事は内緒です。



  さて、この達成感の余韻に浸りつつ、次回の日にちが迫っています。橋ワタシsession vol.6は年末。


橋ワタシ学session vol.6 「百鬼夜行」

橋本学(drums,percussions)
かなさし庸子(voice)
伊藤志宏(piano)

charge ¥2500

皆様のお越しをお待ちしております。