2014年12月31日水曜日

橋本学=かなさし庸子=伊藤志宏「百鬼夜行」後記

  橋ワタシ学session vol.6、お陰様で満員のお客様に囲まれ無事終了しました。ご来場下さいました皆様に厚く御礼申し上げます。

  今回はこの3人組です。ベースレスという異形の編成ですが、偶然にも3人ともベースレスには定評があります。
嘘です。お2人は共にベースレスを突き詰めた仲間です。



  変な写真が撮れたので採用。ヤクザとカタギのハーフとはかなさしさんの自己紹介。写真を撮ったらハーフは自分だった。プロフィール写真にしようかな。

  リスト

  1.亡き王女のためのパヴァーヌ (ラベル)
  2.浜千鳥 (唱歌)
  3.プリオシン海岸 (細野晴臣)
  4.Danny boy (アイルランド民謡)
  5.Rythm-a-ning (セロニアス・モンク)
  6.三月の歌 (武満徹=谷川俊太郎)
  7.Close to you (バカラック=デヴィッド)
  8.洞の宴 (橋本学)
  9.I'll be seeing you (サミー・フェイン)
  10.Anniversary (松任谷由実)
  11.Defensor (橋本学)

  アンコール.A night in Tunigia (ディジー・ガレスピー)

  選曲が無節操すぎる。

  ご覧いただけなかった方は動画をどうぞ。


  うちの相方をして「目を閉じていると泣きそうなくらい美しいサウンドなのに、目を開けると両脇でムサいおっさん2人が演奏しててムカつく!」と言わしめた画です。服装は爽やか目にしたのになー。しかし、自分でも自分の満足し切った顔がムカつく動画だ(笑)。

  感想としては、お二人ともさすがでした。
  ジマジンで志宏と共演といえばどうしても橋本学トリオがよぎりますが、2年前よりはるかに演奏に深みと余裕が増しています。洞の宴やプリオシン海岸、Close to youなどは特に、志宏のピアノではないと成り立たないサウンドでした。複数の方から自分と志宏のコンビネーションを評価して頂けたのも嬉しかったし、MC時に彼がいると心の底からリラックスしてしまっておかしかったです。

  かなさしさんと言えば、赤鬼というよりは女王然とした、ゆったりとした圧倒的な佇まいがさすがでした。そして改めて、実に柔軟で様々な顔を持っている事にも唸らされました。自分と志宏で疾走しながら広げていく世界にかなさしさんのゆったりとした展開の仕方は我ながらベストマッチでした。

  個人的にはもう埋まりたい程幸せで、嘘みたいにうまくいったライブでした。

  ちょうど2年前にトリオを一時解散、昨年度は4回のソロ・ライブ、本年は自分の人脈を駆使し毎回ゼロから立ち上げた橋ワタシシリーズ。自分の企画力の向上を目差したこの2年間ですが、後に残った感情は応援・協力して下さったメンバーや身内、暖かく見守って下さった全てのお客様への感謝だけです。来年は今までの活動を、平たく言うと全部やります。

  というわけで次回予告は次回へ。本年2014年も一年間お世話になりました。










2014年12月24日水曜日

12月28日昼間は橋ワタシ学session vol.6 「百鬼夜行」

 夜行なのに昼間のライブとはどういう事かと今気づきましたがもう遅い。このままやらせていただきます。今週日曜日14時スタートです。


 今回の内容は、私世代の邦楽(当時はJポップとい言葉がなかったですね)懐メロ、前回に引き続き細野晴臣さんの映画音楽、橋本オリジナル、クラシック、そしてジャズスタンダードをお送りします。

 メンバーはvoiceのかなさし庸子さん。歌い手さんですが楽器奏者のようなアプローチも多い方で、以前橋本とかなさしさんとピアノ宮前幸弘さんで2年ほどベースレストリオを組んでおりました。
 これは初共演の時の動画です。



 ブログが大変面白く、明確なポリシーと主張のある生き方が伝わってきます。ボランティアや海外支援活動など活動は多岐に渡る方です。いつだかのブログで自称「赤鬼」だった事があり、今回の「百鬼夜行」のタイトル付けに繋がりました。

 ピアノの伊藤志宏はもう説明不要な長年の仲間で、近年の活躍により全国的な存在になりつつあります。自身のプロジェクト「 3 cello variation 」では各地のライブが軒並みソールドアウトになるほど注目を集めています。ピアニスト・アレンジャー・作曲家の三つの顔を実にバランス良く持っている音楽家です。
 個人的には橋本のサウンド志向を最も良く知る音楽家でもあり、2013年まで活動した「橋本学trio」のメンバーでした。一時解散中ですが、彼のウェブサイトにとても素敵な特設ページがあります。



 懐かしすぎる4年前のライブ。
 今回、このトリオ以来封印していたオリジナルを1曲演奏します。

さあ、あとはどうなることやら。とりあえず26日に初顔合わせリハーサルをしてきます。

2014年11月16日日曜日

スイス・ツアー写真集 1

 おもむろに写真を貼っていきます。


 10月29日、成田からスイス・エアで出発します。12時間。


 スイス時間午後4時、チューリヒ着。古い教会も多数残る美しい街並み。この後、我々を招いてくれたピアニストのクリスさんご夫妻にお勧めのレストランでご馳走していただき、


 その後向かった先はクリスさんが教鞭を取る芸術大学。なんとその中には!


 ジャズクラブがありました。

 1時間ほどスペシャル・ゲストによるライブと、その後ジャムセッション。ヨーロッパでセッションしてみたかったのです。
 そのスペシャルゲストは、ノルウェー・クラブジャズ界の重鎮、ブッゲ・ウェッセルトフト。もちろん知っていたし、最近のYOUTUBE動画もチェックしていたので大変に驚きました。

 ブッゲ・トリオはかなり弱音でしたがユーモラスで実験的でとても良かったです。明るいオタクの音楽でした。

 ジャムセッションはメンバーがほぼそこの学生さん。時差ボケで眠くて倒れそうなところに曲はバラードと、超スローなキャラバンだったのがつらかったですが(笑)良い経験になりました。正直、日本でのセッションと特別な違いはなかったかと思います。

 そんな初日、ホテルに戻り倒れて就寝。



スイス・ツアー写真集 2


 翌朝、どうしてもスイスアルプスが見たくて早起き。あのへんのトンガリのどこかがアイガーやメンヒ、ユングフラウなのかなと。


 演奏のためにチューリヒからウスターという町へ電車移動。執念のアルプス撮り。


 ウスターは郊外の住宅街でとても落ち着きます。


 なんと町が保有するジャズクラブ。子供たちのための楽器教室も併設。すごく広く、ソファーもたくさんあります。


 ライブでお借りしたスイス製のドラム、ジャンニーニ。音も良く、本気で欲しいんですが。

 演奏1日目でしたが、クリスさんが度々来日して何度も共演済みなのでまぎれもなくバンドサウンドでした。お客様は多数。にぎやかでもなく静かすぎることもなく、良かったら拍手でつまらなければ帰る。ただ、クリスさんは有名人だとはいえ、知らない日本人のバンドにあれほどの数の人が来て下さるのはスイスならではなのかなと思いました。
 
 この日はウスター泊で2日目終了。







スイス・ツアー写真集 3

 3日目はウスターで起床。


 朝の散歩ついでに。裏手の高台に教会。 


 今日は2本の公演があります。ウスターからチューリヒ経由でバーゼルに移動。スイスの車窓から。

 

 バーゼル到着してホテルにチェックイン。ここはなんと昔の刑務所跡らしいですが、お城のよう。客室の扉を閉めた音が廊下にかなり響き渡る音響空間が、来る前にイメージしていたヨーロッパ建築そのものでした。


 そして昼の部は今回のツアーのメインイベント、ティンゲリー美術館でのコンサート。写真右端は、開始5分前なのに楽屋が無くてウロウロするメンバー、左からクリス・ヴィーゼンダンガー(p)さん、吉野弘志(b)さん、かみむら泰一(ts)さん。
 プログレッシブなティンゲリーさんの作品に触発されてか、この日は最も無形な、聴いたことがないような演奏になりました。


 ドラムセットはヤマハ、ペダルはパール、スタンドはタマ、演奏者は橋本のオールジャパンセットでお送りしました。


 夜のライブはホテルと同じ建物、裏手にあるジャズクラブ「バーズアイ」です。しかしどう見てもお城です。


 白い巨大な壁にある扉を入ると何とも素敵な、しかしちゃんとジャズクラブがありました。


 こちらはご当地もご当地、バーゼルのメーカー「ラウペッレ!(発音は教えてもらいました)」。
音響はとてもやりやすく、手で叩いた微弱音ですら、壁の反響が拾ってくれるのか空気が違うのか、意のままに残響と強弱を操れる感覚でした。ツアー3本目という事でバンドもすごくまとまってきました。

 クラブの責任者の人がスリランカ出身の面白いオッチャンで、かつて様々な職業を転々とした中で「EDO」という日本料理屋で仕事をした事があるらしく、「俺はものすごく旨いテリヤキソースが作れる!!」と力説しておりました。その彼がジャズクラブからホテルへの裏道を教えてくれたんですが、彼曰くそれは「ヤクザ・ウェイ」だと。まさに「極道」ですな。

 爆笑しながら、ハードなこの日も即寝落ちました。
 






スイス・ツアー写真集 4

 最終日、夜のライブだけなので昼間は土産物色と観光のみです。
 朝ご飯の前に、早朝からスーパー「スパー」を見学、買い物。朝ご飯後、クリスさん・泰一さんとバーゼルをブラブラ。クリスさんに老舗のチョコレート屋兼カフェを案内してもらいました。


 郵便局。


 教会。

 解散して、ライブまでさらに時間があったので、単独行に出ました。初めて1人でトラムに乗ったなあ。


 目的その1、どうしてもスイスで山の本が買いたくて本屋へ。「4000m以上のスイスアルプスの登り方」という本を買いました。ドイツ語で読めないし4000mのアルプスなんか登りませんが、写真がとにかく素晴らしかった。「アルピニズム」コーナーは自力で見つけました。


 目的その2、もうめったにラーメンを食べない自分になぜか日本で最近麺友ができ(相方の会社の上司さん)、その人が「是非スイスでラーメンレポを」というメッセージをくれたので「スイス二郎野菜マッターホルン増し、とかがあったら食べますよ」などと冗談半分に返信しつつ、ラーメンなんかあるわけないだろと思っていました。
 しかしバーゼルになんとラーメン屋を発見。クリスさんからは「あれはマズイよ。日本のラーメンの方がおいしいです!」と釘を刺されたにも関わらず、麺友さんをギャフンと言わせたかったので本気を出してみました。

 「soja ramen nature」醤油ラーメンだと思います。具は大量のネギ、薄切り人参、ナルト、海苔、メンマ。チャーシューはなし。スープはかすかな魚介ダシの薄い醤油味。つまり日本のラーメンからチャーシューと鶏がらスープを取り除いた感じです。自分は普段動物性のものは食べないので構いませんが、殊にラーメンとしてはいろいろと足りない感じがします。しかし、スイス式の食事続きの中で醤油味に安心したのと、お腹が空いていたのと、麺友さんにレポできた満足感から、やっててくれてありがとうと。結局おいしく完食しました。


 夜も更けて、最後のライブが昨日と同じ「バーズ・アイ」でスタート。最後の夜をメンバー皆名残惜しむような、出し切った演奏でした。あっという間の4日間でした。

今回はスイス=日本国交150周年記念という事で特別に呼んでもらえたとの事です。そんなチャンスに参加できて、初のヨーロッパにしかも演奏で行けてとてもラッキーでした。

 ホテルの朝食をフロントの人に英語で絶賛と感謝を述べたり、時に破壊力満点のジョークを英語で飛ばしたり、何より現地の楽器でもブレない音楽性と音色でしっかりとバンドを支えてくれた吉野さん、素敵でした。
 是安さんの事から本当にいろいろな事を共に経験し、音楽的にも散々コミュニケーションをとり合った泰一さん、ずっと共演させてもらえたお蔭でスイスにまで行けました。ありがとうございました。そういえばスイスに着いてからも「一緒にここにいるのが不思議だねー」と二人で言ってましたね。
 そして現地で、本当に自分の時間が無くなるんじゃないかというほど付きっきりで案内してくれて、スケジューリングとマネジメントもしてくれたクリスさん。お仕事の合間に愛犬ジニーちゃんを連れて何度も会場に足を運んで下さったクリスさんの奥様・ソノエさん。本当にありがとうございました。たくさんお話した中でクリスさんの熱い熱い日本愛もますます感じられ、日本人で良かったなと思いました。今度日本に来られた時は必ず恩返しさせて下さい!