2017年7月27日木曜日

たわわ食堂及び「サラダまぜそば」のご案内

まさか公式ブログで食べ物販売のお知らせをするとは思わなんだ。

そんな訳で私の製麺した中華麺が食べられるのは

たわわ食堂


です。

もともと長野・富士見「たわわ」は植物性食材のみを使った完全予約制ランチ営業の知る人ぞ知る農園カフェでした。野菜は大部分を敷地内の農場で育てて(有機無農薬)収穫、自家栽培大豆から醤油や味噌、みりんまで自家製、もちろん田んぼでお米も作っております。そのノウハウは主に「たわわ」創業者である「自称オタク」めぐさんが全て1人で作り上げたものです。

相方が「たわわ」に就業した事で私も富士見移住に踏み切り、移住1年目は演奏が無い時はお手伝いという名の農業体験学習をさせてもらっていました。「これ雑草ですよねー?」とピーナッツの苗をザックリ抜いたり、数少ないお手伝いの中でさすがオレな数々の粗相をしましたねー既に懐かしい!

そんなオレなのに移住2年目の今年4月から「たわわ」スタッフとしてガッツリやらせていただく事になり、それからは田植えやったり大工仕事やったり煙突掃除やったり薪割りやったり、全てが新鮮です。もちろんミュージシャンとしての活動は全面的に応援していただいています。

そんなたわわがとある事情で富士見でのカフェを休業(農地はそのまま継続)し、小淵沢の道の駅近くのマナマハロというスペースで「たわわ食堂」を週末営業する事になり、メニューの中に和え麺的なものを取り入れるに当たり、私が製麺を担当する事になった訳です。

今いるスタッフとその友達ネットワークを最大限に駆使し、専門外の事まで複数の業務をかかえ知恵を出し合うのが「たわわ」のやり方です。もうラーメンはほとんど食べないながら知識だけは山のようにある私橋本はまずメニュー名「まぜそば」を提案しました。ラーメン→つけ麺→油そば→汁なし担担麺など色々出てきた中で「まぜそば」というジャンルはまだ比較的新しく、これからどんどん多様化していく分野なので参入とアピールがしやすいのではと思いました。

数度のメニュー変更を経て現在のラインナップは以下の2品。

サラダまぜそば・レモンしょうゆダレ

サラダまぜそば・ごまダレ

公式アカウントは
たわわ食堂 instagram
です。特別企画や新メニューのご案内はこちらで更新、冬期休業予定なので11月いっぱいくらいまで営業します。
橋本もたま〜に店頭にいますが、「麺がわからないやつは金はいらねえ、帰っていいよ!」とか言わないのでご安心下さい(笑)。

たわわ食堂

山梨県北杜市小淵沢町1560
お問い合わせ:tawawacafe☆gmail.com ←☆を@に変えて





2017年7月24日月曜日

自家製中華麺デビュー@たわわ食堂

さあ4ヶ月に渡る自家製中華麺について語り尽くすのでめっちゃ長文ですよ!

だいぶ前から「ベジタリアン(ヴィーガン)対応ラーメン」を趣味で作っていたのですが→過去記事「ベジタリアンのための自作塩ラーメン・完全版レシピ」 麺は「市販乾麺パスタを重曹で茹でる」という方法で対応していました。
ところで、移住してすぐから大変お世話になっている富士見町「たわわ」が小淵沢に週末営業の「たわわ食堂」を出店する事になり、なんとそこの「サラダまぜそば」の中華麺を私橋本学が担当する事になりました

製麺を初めてやってみたのは3月末→ 過去記事「自家製麺 Day 2
1ヶ月後にこのお話をいただいたのですが、もう「やります!」と2つ返事してしまったので後には引けません。後で聞いた話によると、たわわの総帥・めぐさんは、橋本がスープも麺も同じくらいの自作歴があると勘違いしていたそうで。いやいや、スープ歴4〜5年の製麺歴1ヶ月ですから!

ネットで自家製中華麺レシピを調べ尽くし、パスタマシンを借りで初めて切り出した試作がこれ。

パスタマシンだとさすがに細くなり、うどんの様にはならずに済むんですね。
しかし、茹でた瞬間ブチブチ切れて麺にならない。これは小麦粉と重曹・塩・水を混ぜる段階の「水回し」の不徹底が原因かと推測、小麦粉をふるいにかけて、ダマを極力潰して小麦粉の1粒1粒にきちんと水が行くようにしました。

加水率を45→43→42→40→42→40と試し、熟成時間も工程内であらゆるバリエーションで試験しました。その結果段々と麺が逞しく、中華麺ぽくなっていきました。





なんとか「麺切れ問題」がギリギリ解消されるかされないかのタイミングで6/24.25「たわわ食堂」がグランドオープン。お陰様で「まぜそば」は14食食べていただけました。

ただ、例えば加水が少なすぎると切り出し時に切れてしまったり

まだ湯切りの時に思い切りザルを振れなかったり、自分の麺に不安もあったので7/22までお休み。演奏活動に戻りました。

実はグランドオープン終了翌日に、中華麺を特徴付ける添加物「かんすい」について調べていて大変な事に気付きました。
自分はかんすい代替品として重曹を使っていましたが、重曹は「加熱時にかんすいと同じ成分に変化しつつ炭酸ガスを発生する」という根本的な事実を見逃してしたのです。つまり、
小麦粉と重曹・塩水溶液を常温で混ぜていた麺は、茹でた瞬間重曹が加熱され炭酸ガス=気泡が発生→麺がブチ切れる
これだ!つまり
重曹は水溶してから加熱し、炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+二酸化炭酸に分離させてから粉に混ぜるべし。

ネットのどこ探してもこのエラーについては書いていないので、麺ブチ切れ難民の皆さんは本ブログへいらっしゃい!!炭酸ナトリウムというのは、天然かんすいの成分そのものです。

これを解決してからの麺がこちら↓

うむ、力強い!もっと早く気付けばよかった。

パスタマシンで切り出す前に生地を平らにして徐々に圧縮します。

これを麺帯といいます。製麺のほとんどの時間を「水回し」と「麺帯作製」に費やします。この2つの工程は本当に大事!最近は麺帯の「エエ感じ」と「イマイチ」がわかるようになってきましたが、イマイチな麺帯からでも安定して綺麗な麺が作れるようになってきました。加水率の微調整ですね。


先日「内モンゴル天然かんすい」なるモノを入手し、使ってみましたが、重曹で作った麺の方が美味しく評判もよかったので、天然かんすいは追い追いやります。まだボーメ度がよくわからん!

これが最新の麺。


製麺作業は粉1.5kgで行うと夜中2時くらいまでかかってしまいますが、打ちたての麺を夜な夜な茹でての試食がたまらんのです。打ちたてはまだボキボキでゴワゴワなので試食にならんのですが、ただのお楽しみタイムです。タレは「酢じょうゆごま油」これ最強!

夜中ではなく、晩飯に普通のラーメンでも食べてみました。麻布かおたん+京都新福菜館インスパイアの自作スープのベジ醤油ラーメン。麺も自作なのでついに100%自家製ラーメンの完成です。


製麺をやって感じた事は結局音楽をやる中で普段からやっている事ですが「自分の感覚を信じて今そこにある現場に向き合う」のが大事だなあという事でした。その感覚は時に数値データの蓄積をも上回ると。視覚と触覚による「エエ感じ」の麺帯はエエ麺になるし、「ヤな感じ」はヤな感じをリカバリーする作業をすればエエ麺になります。

小麦はほんの少しの条件差で様子が変わってしまうので、熟成時間や加水率を確定させて(厳密には微調整しながら)「普通の中華麺」をコンスタントに作れるようになるまで時間がだいぶかかりました。「麺の出来が悪いから本日休業!」みたいな佐野さんみたいな事はしたくないしね(笑)。

いや、でも佐野さんは職人としては大尊敬していますよ。製麺始めてから何気なく覗いた生前のブログ記事 

しかしな、これだけは今の内に覚えていて欲しい。
一番大事なのは、麺帯・麺線・麺だ!
早くやんないと乾いてしまうだろ!?
事前の準備を段取りよくやれよ・・・

これを読んだ日から麺帯乾燥に細心の注意を払うようになり、ますます麺が安定しました。ありがとよ佐野さん!1回しか食べに行かなかったけど。

もう麺の事は語り尽くせないのでこのへんで。あとは小淵沢まで食べに来て下さい!
ウザいくらいの長文なので食堂のご案内は次の記事にします(笑)。