2015年5月28日木曜日

橋本学trio 5/22ライブ後スペシャルインタビュー

 レディース&ジェントルメン、オレだ。ヤツのトリオ・ギグに行ってきたぜ。
ガイエンマエのアジトはオレも前にギグをやったから場所はわかるんだ。早速メトロにライドオン!するはずが金がなくてウォーキングしたらやっぱりベリーファーだったぜ。でも今こんなアプリがあるんだな。こいつのおかげで退屈せずに済んだよ!


 ライブはどうだったって?そりゃあ最高だったさ!MCなし、ストーリー仕立ての90分。まるでシアターにいるみたいだったぜ。これでポップコーンがあれば言うことナシだな!

 今日もお前らのためにインタビューしてきてやったぜ。

  Dr.M よう、おつかれさん。ナイスプレイ、ビューリフォーステージだったぜ!

  橋本 ありがとうございます。わざわざ10キロも歩いてきてもらい、がっかりさせなくて良かったです。

  Dr.M お前さんとしてはどうだったよ?今日は。


  橋本 はっきり言って賭けのようなステージでした。時間も一切見ずに、お客さんへは最小限の示唆しかせず、自分達しか知らないストーリー展開に沿って「架空のオーケストラピット」を演じました。後は聴く人々の想像力に委ねるのみでしたからね。
 でもメンバーは好演してくれたし、言葉にならない程良かったとのご感想も複数戴けたので、やはりこの試みは間違っていなかったのだと大変嬉しく思いました。

  Dr.M だいたいなんでこのプランにしたんだ?音楽ライブは普通ただ音楽をやるだけだろ?

  橋本 それにはまず、橋本学trioを2年間休止した意味から話さねばなりません。休止した理由は、メンバーに原因はなく自分がリーダーとしてライブをやる意味をもう一度見直すためでした。ソロ・ライブや橋ワタシsessionを2年やった結果、このトリオをより客観的に見られるようになりました。じゃあこのトリオの一番の持ち味は?トリオでライブをやる意味は何だ?というと、全部説明し切らずに余白を残した表現を楽しんでもらうことだと。音楽だけで完結させない点が劇伴やサウンドトラックの意味あいと共通点がある事に気づきました。


 物語をクリアにしてしまえば、場面場面に配置した選曲が俄然意味を持ってきます。ただ我々の音を浴びるだけでなく、聴き手が音を触媒にして、曲の並びから物語を紡ぐ事をも楽しんでいただけるようになれば、このトリオでライブをやる意味もはっきりしてきます。聴く側がイメージする物語は僕の考えた筋書きと違っていて当然で、それは思い思いに楽しんでいただきたいです。触媒を作らせたら誰にも負けない自信を自分はこのトリオに持っています。

  Dr.M わかる、わかるぜブラザー。オレらミュージシャンはついついオーバープレイしちまうんだ。だが自分がオーディエンスになると案外聴きながらいろんなことイメージしてるんだよな。聴いてるだけじゃねえんだ。シコウ、リョウジはそういうプレイがピカイチだな!

  橋本 彼らは特に音で示唆する事に長けていますね。さらには僕のドラム演奏から驚く程の情報を読み取ってくれるので、僕自身もわずかな示唆で済みます。彼らは示唆が服を着て歩いているようなものです。

  Dr.M どっかで聞いたフレーズだな。ともかくお前のドラムもよかったぜ!

  橋本 ありがとうございます。

  Dr.M お前はギグがたくさんあってうらやましいよまったく!オレみたいなユニークなドラミング・スタイルだと日本でやってくのはディフィカルトだ。

  橋本 お前自分の国でも演奏の仕事ないから御徒町にずっといるんだろ?

  Dr.M その通りだ。最近ではお前さんのインタビューがオレのメイン・ジョブだ。これからもよろしくな!オレのインタビューにはファンもいるんだぜ。

  橋本 オレのインタビューじゃないっつうの。ドラムで頑張りなさいよあんた。

  Dr.M ネクストギグはいつだ?

  橋本 橋本学トリオとしては8月12日水曜日、ここ外苑前Z.imagineであります。その前に橋ワタシ学session「野」があります。6月25日木曜日ですね。

  Dr.M おっ、タイムイズオーバーだ。

  橋本 ブログ用にメンバー3人の写真を撮ってもらいたいんですが、僕は楽器を片付けなきゃな…。

  Dr.M オレにまかせな!シコウとリョウジの分はオレが個別に撮っといてやるよ。

  橋本 ありがとうございます、助かります!

  Dr.M そんかわり仕事くれよな!じゃあ後で!


2015年5月13日水曜日

対談 橋本学×Dr.M 「旅する彫刻」

 来たる5月16日より、全国的にファンを持つ木彫家・はしもとみお「旅する彫刻」展が蔵前gallery kissaにて行われる。オープン前日5月15日金曜日、はしもとみおの実兄の打楽器奏者橋本学、テルミン奏者トリ音、ガットギター奏者前原孝紀の三者によるプレオープン・ライブが企画されている。今回もおなじみ、4月の来日より長期滞在中のDr.M氏より、橋本学氏へのインタビューが行われた。

                   


 Dr.M よう元気かブラザー、変わってないな!

 橋本 早く 国 へ 帰 れ と言ってるだろうが。

 Dr.M シスターのミオはこないだTVで見たぜ。ウニクロのCMだろ?

 橋本 ユニクロって読むんだよ。

 Dr.M オレは金ないからいつもグーの方だけどな!あっちの方がファンキーだ。

 橋本 GUな。

 Dr.M 今度のプランを教えてもらおうか。


                  

 橋本 去年に続いて今年も、はしもとみお彫刻展のオープニングアクトをつとめさせて頂きます。今年は「旅する彫刻」という企画にまつわる展示です。企画特設サイトによると「「旅する彫刻」プロジェクトでは、誰かにとってかけがいのない動物たちの肖像彫刻の紹介とともに彫刻たちの、その後の暮らしを写真や映像、取材を通して記録するプロジェクトです。同時に、はしもとみおさんの作品作りの現場を記録するプロジェクトでもあります。すべての命には他の命と取り換えることができない物語が存在します。本プロジェクトでは、はしもとみおさんの手から生まれた肖像彫刻、モデルとなった動物、そして家族、その全てを「命」の物語の記録として残したいと考えています。」というものだそうです。
  企画にあたり、ディエゴ君・アピさん・タラちゃん・ツキという、彫刻のモデルとなった動物達のテーマソングをこの日のために僕が作曲しました。


 Dr.M この日のクルーは誰なんだ? 

 橋本 3月の橋ワタシsessionでもお願いしたテルミン奏者・トリ音さんと、ミュージカル「ラブ・イズ・ミラクル」で僕の曲を演奏して下さった、ガットギターの前原孝紀さんです。お二人は長くデュオ・ユニットを組んでおり、自分で企画に呼びつつ無理やりユニットに加わってしまった形です。

 Dr.M テルミンはオレも知っている。あのサウンドは宇宙だ。宇宙のファンタジーだ。アース・ウインド・アンド・ファイヤーだ!

 橋本 …時間は5月15日金曜日19時半から、チャージは予約2000円・当日2500円です。ご予約はこちらでできます。

 Dr.M オレもリザーブするぞ!一番フロントを頼む。オカチマチからウォーキングだ。

 橋本 後ろの席しかダメだ。アフロが邪魔だ。まだ御徒町にいるのか?

 Dr.M オカチマチにうまいラーメンヌードルを見つけたんだ!あれは日本で一番のレッド・ホット・チリ・ヌードルに違いない。「ナカモト」っていうんだ。ネクストデイはずっとケツからファイヤだ。

 橋本 中本いいねえ!オレもいつもファイヤーだぜ、さすがだなブラザー!オマエは何にも知らないな、あそこはベリーフェイマスなんだぜ。しかもホスピタリティがアメイジングだ。

 Dr.M それでは本日はお忙しいところありがとうございました。

 橋本 忙しくねえよ、仕事くれっての…あれ?

2015年5月6日水曜日

対談 橋本学×Dr.M 「橋本学trioライブへの展望」

 来たる5月22日金曜日、今年2年振りの復活を遂げた橋本学trioのライブが外苑前Z.imagineにて行われる。本誌は今回特別にファンクマスター・Dr.Mをインタビュアーに招き、リーダー橋本氏へのインタビューを対談形式で敢行した。

                                                 
                                                           Dr.M

Dr.M  よう、しばらくだなブラザー!トリオのリユニオン、遅くなっちまったがコングラッチュレーション!

橋本  ありがとうございます。相変わらずウザいですね。


Dr.M  で、何やるんだよ?今度は。

橋本  前回は「ラブ・ソング」縛りで選曲しましたが、全体での物語性が希薄だった事を反省して、今回はざっくりとですがある男の一生分のストーリーを作ってあり、その物語の劇中歌として曲を並べて行こうかなと。

Dr.M  ほー、なんともお前らのトリオらしいじゃねえか。クールだぜ、そういうの!

橋本  まるでトリオを聴いた事があるかのような口ぶりですね?
 
Dr.M  前によくシークレットでオーディエンスになっていたのさ。

橋本  …(ウソつけ、そんなアフロいたら目立つわ)


Dr.M  メンバーを簡単にイントロデュースしてくれ。

                                               
                                                                     橋本学

橋本  ピアノの伊藤志宏は、この仕事を始めた頃から色々なステージを共にしてもう15年ほどの付き合いになります。演奏家でありながら彼の興味の多くは作曲とアレンジメント、オーケストレーションにあり、僕自身の曲やバンドサウンドを作る際にとても力になってくれています。また、彼ほど音楽に物語性を持たせている人はなかなかいません。物語が服を着て歩いているようなものです。
 フレットレスベースの織原良次、彼も15年くらいの付き合いで数え切れない程のステージを共にしました。ベースの役割に留まらず、歌声に溢れる演奏、さらには彼もまた良い曲を沢山書いている作曲家です。最近では持ち味である音響的なアプローチと太いベースプレイの二極化が凄く面白いですね。

Dr.M  太いベースだと?奴はファンクもプレイするのか?

橋本  普通にかっこいいですよ。

Dr.M  そうか、今度ギグのオファーをしよう。eメールとナンバーを教えてくれ!

橋本  あんた結局自分の事しか興味ないだろ?

Dr.M  その通りだ、自分のプランを考えるのが一番楽しいんだ。しかしこのチラシはクールだな!



橋本  さっき言った、このライブのために作った一生分のストーリーの、エンディングシーンをイメージしたものです。恥ずかしながらインターネットで拾った画像をコラージュしましたが。

Dr.M  ネットで拾ってコラージュな、俺もよくやるよ。それの日本語訳を最近覚えたぜ。「パ・ク・リ」だ。いいサウンドだ。日本語は全てがクールだ。

橋本  うるさいよ。

Dr.M  ところでなんで「timelapse」なんだ?

橋本  一生分を90分のライブで早回しで表現するからです。iPhoneのビデオカメラの機能「タイムラプス」から言葉をもらいました。


Dr.M  今回はニュー・ソングはやるのか?

橋本  エンディング・シーンのために書き下ろします。イントロとコードと展開のアイディアは既に固まっています。時間があればもう1曲書くかもしれません。

Dr.M  忙しそうなのにご苦労なこった。ちょっとはオレにドラムの仕事を回してくれよ。

橋本  いやだ。あんたいつ国に帰るんだよ?

Dr.M  ホームではギグがねえんだよ。それに日本が好きなんだ。オカチマチにずっといるからたまには遊んでくれよ。オカチマチにグレイトなカプセルホテルがあるんだ。オレはカプセルホテルが大好きだ。あれはオレの国には無い。

橋本  とっとと国に帰りなさいよ。これじゃ誰のインタビューかわかんないじゃんかよ。

Dr.M  じゃあサンクスブラザー!ギグ楽しみにしてるからよ!

橋本 絶対来んなよ。