2019年6月24日月曜日

古楽コンサート・後記

6月15・16日と古楽コンサートに打楽器で参加させていただきました。

仕掛人はご近所・原村在住のマルチ鍵盤奏者、杉本周介さん。

古楽の専門家でありながらハモンドオルガンでジャズも演奏、最初の共演はジャズ・オルガン・トリオでした。経歴も世界各国、ものすごいです。3年前に移住を計画中、長野・富士見町近辺の音楽事情をネット調査している中で周介さんの情報を知り興味を持ち「これは是非仲良くなりたい」と思いメールをしました。ただ自分は古楽未経験だし周介さんもしばらくジャズはやっていないとの事で、丁寧にお返事は戴きましたが、お互いどう共演したらよいか具体的なアイディアは持っていませんでした。
しかし移住2年目頃に周介さんのお父様のドラムレッスンを担当する事になり、それを契機に初対面、音楽の話を沢山しまして、ジャズ・オルガン・トリオのライブ計画が持ち上がりました。
ジャズにも独自の視点と感性を持っており、岡只良(g)君とのオルガン・トリオは大変楽しく2度のライブを行いました。

今度は古楽器を使ってのインプロなんかもやってみたいなと勝手にイメージしていた折、今回の古楽コンサートに打楽器で誘って頂きました。

さて古楽に於いて打楽器は、実は「多分使われていたんじゃないか」位のデータしか残っておらず、クラシックオーケストラで使うスネアドラムやバスドラム、シンバル類は全て近代です。あと自分所有のジャンベや壺はアフリカ、カホンはブラジルの生まれで古楽とは時代も国も違います。
なので今回は、参考資料を元にジャンベ・カホン・壺+小物でセットを組み、「踊り」「地中海」などキーワードをイメージしつつ、1曲ずつリハーサルで演奏内容と使用楽器を決めていきました。
オケと違って打楽器の譜面があるわけではないので、曲の流れを読みつつ音響効果としての打楽器を足し引きしていきます。歌やチェンバロ、ポジティブオルガン、バロックバイオリン、リュートとの音色の相性は音を出してみて判断します。
初めて全員揃っての原村Studio Rのリハーサルの日(6/12)は感覚と知識ストックをフル稼働させて7時間半、本当に知恵熱が出そうになりました。

何とか回復して伊那公演の前日に会場で最終リハーサルとゲネプロをし、6月15日いなっせホール、6月16日八ヶ岳高原キリスト教会にて2本の本番公演を無事終える事ができました。
https://drive.google.com/uc?export=view&id=1QM0HsTOfRAZb_1O0Fgjc6zp2Aj30hlWz
今回参加して感じた事を書いていくと、まずメンバーの皆様が打楽器をとても歓迎してくれて楽しんで下さった事。まずそれが無いと始まりません。自分の入らない曲やパートも、チェンバロやテオルボ、バロックバイオリンと声楽のアンサンブルやソロを聴いているだけでとても楽しかったです。
次に「自分が譜面に強くてほんとによかった!!!」と思いました。他パートの動きを見ながら譜面を追って行くため、譜面に弱いと撃沈するプロジェクトでした。
最後に、この企画に呼んで下さり、自分のためのリハーサルに長時間お付き合い下さった杉本周介さんと原謡子さんに大感謝です。ジャズに比べて歴史も様式もずっとずっと堅固な古楽の世界、その古楽に打楽器を大フィーチャーするのは余程の柔軟性と勇気が要る事だと思います。古楽は古楽の専門家が専業、ジャズはジャズの専門家が専業みたいなのが音楽業界では普通の事です。専門外の事をやると「やっぱり専門家じゃないからなんか違うよね」みたいな事を言われたりします、ほんとに。
周介さんも自分もそういう意味では「兼業」と言えますが、僕はこの兼業文化が大好きです。色んな分野に手を出してみると、良い意味で各分野同士に影響が及ぶからです。

長野移住してから、特に八ヶ岳山麓周辺に兼業のマルチな人々が多く、もしかしたら今回の「打楽器入り古楽」も八ヶ岳発信ならではなのかも知れません。
今回のリハ中に、「今度はジャズと古楽をもっとハイブリッドしたプロジェクトをやってみよう!」という案が持ち上がりました。兼業のメッカ八ヶ岳から、世界が驚くような企画が今後も発信していければ、と思います。
https://drive.google.com/uc?export=view&id=1PBEa2G39SDnWUC7GvblE7HAZZNAXJHmq

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