2021年6月12日土曜日

Trio Zero「Energetic Zero」ライナーノーツ「一万年落下」

Trio Zero「Energetic Zero」CDの制作時にライナーノーツを自筆で書こうと思いましたが、どうせなら思う存分長文で各曲への思いを書きたいと思いまして、CDには曲解説は一切載せず、替わりにインターネット上に残す事にしました。
・1万年落下 
着想は梨木香歩さんの小説「裏庭」の一場面から。登場人物2人がどこかの崖から落下していく最中に会話をしています。「僕達はいったいどのくらい落ちているんだろう?」「きっともう一万年分くらい落ちているはずだよ」落ちている距離なのか時間なのか、その度合いを「一万年」と表現したことに感銘を受け、作曲するに至りました。
2〜3mの落下だと視覚的にも全てが高速で過ぎていきますが、一万年、となるとそうはいきません。フリーフォールの動画などでは地上の風景は静止したように見えます。重量加速度に従った高速とゆっくりと近づく地表と、何層にも重なる風景を音楽にしてみました。
ドラム演奏で高速部分を担当していますが、ジャズの4ビートと16ビートとテクノ・ドラムンベースのイメージが入り混じっています。ラストテーマ前は数少ない発明アルペジオドラムを曲の一部にしています。
「裏庭」は「一万年」の所まで読んでそこでストップしています(笑)。

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