突然ですが、以前作製しました「ベジタリアンのための自作ラーメン」の続編です。以前は醤油ラーメンでしたが、今度はより難易度の高い塩ラーメンに挑戦しました。
ラーメンマニアであれば、塩ラーメンのコクと旨味を出すのがいかに難しいか、当然理解されていることでしょう。それを動物性原料不使用で素人が、となると前代未聞です。
以下が原料、にんにく・生姜・ネギ・豆苗・エリンギ・えのき、あと画像にありませんがゴボウを使いました。
では、まずエリンギチャーシューから。醤油・酒・砂糖で油は使わず、なめたけを作るつもりで。炙りチャーシューにするのでなめたけよりは強めに火を入れ、焦げ目を少しつけるくらいでも良いです。
おお、実にウマそうだ!!
フライパンに残ったものを水ですくい取り、スープ作製予定鍋に入れます。フライパンで行われる様々な野菜模様、調味料模様、加熱模様の一連の歴史は全てスープに還元します。
反町たんたんの職人さんのラーメン作製からは見ているだけで多くの事を学びました。手早く・正確に・少ない機材でという心構えは「タンマチタンタニズム」としてしっかり私に受け継がれました。他は閉店した元祖小鍋系の笹塚「ゼンベイ」の「ゼンベイズム」、オシャレウマい新代田「Bassanova」の「バサノビズム」、横浜上星川の家系ラーメンの頂点「寿々喜家」の「スズキオロジー」が、私のラーメン作製哲学の主幹をなしています。
鍋に、前日から昆布を浸した水を入れ、えのき・ゴボウを入れて加熱。出汁を取ります。
ゴボウの笹掻きが出来ないので細切りです。笹掻き技術はラーメン作製には必要ありません。そんな暇があれば荻窪・春木屋の平ザル上回転湯切りを学ぶべきです。ただし春木屋から価格設定だけは学んではいけません。
私の料理の7割に登場する、ゴマ油での「焦がしネギ」しかし今日はスープを清湯にするために弱火維持、焦がしてはいけません。今回最も気を配る所です。
続いてにんにく・生姜を刻んで投入。
ネギが少し焦げていますが、焦げも旨味である事をインドカレーの達人から学んだ事があります。
さあ今日はどんな絶品のインドカレーが出来るのか、今から楽しみです。
ウソです。
豆苗・塩を加えます。
スープ鍋に追加します。
ここでも、フライパンの歴史をすくい取りスープに還元します。
塩を少しずつ加えていき、味を整えます。これでスープは完成。
続いて、パスタを重曹で茹でます。参考資料はこちらをご覧下さい。
パスタがパスタとして調理されない事に反乱を起こし、吹きこぼれそうになります。
反乱はまだおさまらず、見た目はまだパスタですが、不本意ながら中華麺的なかんすいの香りがしてきます。
全てを盛り付け、完成。これが前人未到というかニッチすぎるというか、ベジタリアン塩ラーメンの完成形です。
実食した感想は、きのこや香味野菜、ゴボウの旨味がぎっしり。それでいてちゃんと中華スープでありました。料理が得意というわけではありませんが、ラーメン作製・再現にかけては誰にも負けない執念があるようです。
今後の課題としては、もう少しB級グルメ的なフックを増やすために、塩系発酵調味料を加えたいですね。塩麹とか。
しかし、料理とは、1+1が必ずしも2にならないとつくづく思います。
塩辛くなり過ぎたから砂糖を入れる、とかは何も解決にならないし、加熱具合や素材の切り方1つで全く違う答えが導かれます。
足し算や引き算、掛け算割り算だけではとても無理ですが、安定した味を提供できるプロの料理人は、ある程度の方程式を皆持っているようです。そのさじ加減はまちまちで、コンディションを見ながら的確に暗算してしまう達人もいれば、データをとことん厳格に取り、精密な方程式を構築している料理人もいるでしょう。
1+1、足し算引き算、暗算、方程式…というわけで、3月17日木曜日、「数」にまつわる打楽器ソロをやります。
まさかこの記事がこんなオチだとは誰も思うまい!!!
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